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イマージュ (Image)

 「イマージュは精神の純粋な創造物である」と、フランスの詩人ピエール・ルヴェルディ (Pierre Reverdy) は言う。さらに彼は次のように続ける。

 「それは比較することから生まれるのではなく、多少なりともかけ離れた二つの現実を接近させることから生まれることができる。接近させられた二つの現実の関係が遠隔で適切であればあるほど、一層イマージュは強烈となるだろう--一層イマージュは感動的な力と詩的現実をもつだろう」(ピエール・ルヴェルディ「イマージュ」高橋彦明訳)

 ルヴェルディのこのイマージュ論は、ゴダールの映画で繰り返し引用される。『ゴダールリア王 (King Lear)』(1987年度製作)で、『JLG/自画像 (JLG/JLG)』(1994年度製作)で、そして『映画史 (Histoire(s) du cinema)』の「4B: 徴(しるし)は至る所に (Les signes parmi nous)」(1988~1998年度製作) で。

 Image。イマージュ(=イメージ)。心象。姿、形象。そしてそれは「映像」という意味でもある。

 2002年に日本で初公開された『JLG/自画像』の字幕では「映像」という訳語が提示されている。「映像(イマージュ)は、精神の純粋な創造だ」。「結合されたふたつの現実の隔たりが遠く、かつ正しいほど、映像は強くなる」(映画史字幕集団2002(柴田駿他)訳)と。

 このことにより、われわれは決定的に気づかされる。そう、ルヴェルディのイマージュ論こそが、ゴダール映像の方程式だったのだ。

 あ~~~っ、あまりに核心に迫る話すぎて、自分で書きつつ、めちゃめちゃドキドキ。

 「私にとって映像だけが映像ではない。詩のような文章でさえ映像といえる。たとえばランボーを読めば理解しうる映像となって現れる」

 これは第十四回世界文化賞受賞後のゴダールの言葉(2002.10.24 付 Sankei Wed 上の記事)。

 なんて素敵なんだろう。ますますドキドキしてしまう。

【解説】

ピエール・ルヴェルディ(Pierre Reverdy, 1889-1960) :フランスの詩人;Montmartre に住み, Picasso, Braque, Matisse, Apollinaire らと交友;作品はシュールレアリスムを先取りしたといわれる(研究社『リーダーズ・プラス』の解説より)

画像は『ゴダールリア王』です。

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