ゴダール『はなればなれに (Bande a part)』

 この映画のなにが素敵って、カフェでのマジソン・ダンス、そして、ルーブル美術館内を全速力で駆け抜けるシーン。

 あのマジソン・ダンス、2回目にこの映画を見に行ったとき、スクリーンを見ながら気がついたら思わず真似して一緒に踊ってた(映画館の席についたまま、上体だけ動かして。映画館は混んでなかったから真後ろにはだれも人はいなかったはずだし、おそらくは誰にも気づかれていない、はずだ)。なので、なんとなくあの踊りの真似らしきものはマスター(そんなんで、いいのか?)。

 それから、わたしにとってのきわめつけは、ルーブル美術館内を全速力で駆け抜けるシーン。全力で走るアンナたちのほんと楽しそうな顔。そもそも9分43秒でルーブルを駆け抜けるなんて、可能とは思えない。にもかかわらず、あ~、あんな、うれしそうに走ってる~、なんかよくわかんないけどわたしも真似してみたいぞお~っ!と、お調子者のわたしを思わずその気にさせちゃうようなバカさ加減(あれが青春ってもんだっ!)がめちゃくちゃ好き。

 そもそも、あのルーブルのシーンは、ゴダールのおちゃめな思いつきでゲリラ的に撮影されたものらしい。だから彼らを制止しようとしてた守衛さんは本物(守衛さんもびっくりしたとは思うけど、期せずしてゴダールの映画に出演できちゃったんだから、孫子の代まで語り継げる自慢話ができてさぞかし喜んでいることでしょう、と勝手に推論)。それにしても、なんの脈絡もなく、登場人物たちを突然美術館のなかで走らせるなどという発想自体、すごすぎ~~~~~。

 あっ、それから、このことも言っておかねば。

 オディール役のアンナ・カリーナ(当時23歳)、清楚でめちゃくちゃかわゆ~い。アルチュール役のクロード・ブラッスール、なんか妙にセクシーだ、ぴょん。

附記:

 この『はなればなれに』と『恋人のいる時間』は、どちらも1964年に製作された映画(前者が2月から3月にかけて、後者は6月末から7月にかけて撮影)。なんとなく、意外な感じがしません?それとも、なるほど~って感じ?

『はなればなれに』のサイト:http://www.bowjapan.com/bandeapart/...

アンナ・カリーナのサイトもあるよん:

http://www.annakarina.com.fr/

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 来年(2003年)吉祥寺バウスシアターで『はなればなれ』ふたたび上映されるらしいです。楽しみだっ(これまでに4回くらい見てるけど、また映画館に見に行くと思うよ、わたし)。

 

 他にはどこで上映されるのかなあ

(↑けっこう関心アリ)。

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