『ヴァルター・ベンヤミン著作集1--暴力批判論』

1969年に晶文社から出た『ベンヤミン著作集1』。

収められているのは「暴力批判論」「運命と性格」「知識人の政治化」「ドイツ・ファシズムの理論」「左翼メランコリー」「破壊的性格」「経験と貧困」といった論文、そして、彼の死によって草稿のまま残された「歴史的哲学テーゼ」。

画家パウル・クレーが描いた「新しい天使」に魅せられたベンヤミンは、1921年、クレーのこの絵を購入。書斎に飾り、それがまるで生きた人間であるかのように、この天使についての話を、友人たちに聞かせていたと言う。1940年6月パリから逃げる際にも、額縁からはずしたこの絵をトランクに入れ携えていた。同年9月、ピレネー山中での死の時もこの絵は彼の傍らにあった。

第一次大戦後ベルリンで刊行を企画していた(が実現しなかった)雑誌の名前も「新しい天使」

クレーの「新しい天使」について書いたベンヤミンの文章は「歴史的哲学テーゼ」に収められています。