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ロックの正義!!ストーンズ全100ページ / 『SIGHT』

《ものすごく乱暴な言い方をしてしまうと、ロックの正義とは知性である。ストーンズの持つ知性は、彼らを40年間、最強のロック・バンドとしてサヴァイヴさせてきた。ある意味、ストーンズはロック史上、最も知的なバンドと言えるかも知れない。表紙の写真を見てもらいたい。ほとんど世界的な企業のトップといってもいい顔つきの中年集団である。まあ約1名は、その枠組みに入らない顔つきかもしれないが。では、彼らがロック・ミュージシャンとしてのワイルドさを失った表情をしているかと言えば、全くそんなことはない。むしろ30代、40代の現役感を失いかけたロック・バンドより、よほどワイルドで危険な匂いを放っている。間違えてはいけないのは、知的で企業のトップのように見えながらもロックを感じさせるのではなく、知的であるからこそロックであり続けているということだ。》

雑誌『SIGHT』最新号(Vol.14 Winter 2003)、「ロックの正義!!ストーンズ全100ページ 」と題されたローリング・ストーンズ特集の冒頭、渋谷陽一はこう明言する。

ストーンズは饒舌だ。ミックだけでなくキースもよく喋る。ストーンズを真似た頭の悪いロック・バンドが、"ロックに理屈はいらねえ" とか言って言葉を放棄してしまうのに対し、彼らはロックの理屈を語る。その究極とも言えるのが、ここに掲載したミックの長大なインタヴューだ。ストーンズの歴史を振り返ったこの歴史的なインタビューは、ミックが実践者であると同時に、非常にクールなストーンズの観察者であることがわかる。またキースの最新インタヴューにも同じことが言える。世間が思っている以上に彼は知的であり、バランスを重んじている。》

ストーンズを語るとき、彼らを愛するファンほど、あのグルーヴ、あのリフ、あのエネルギーを前にして、言葉を放棄したくなってしまう。しかしストーンズの本質、ロックの正義は、彼らの知性によって支えられていることを、この特集では主張したい。》

明快な主張だ。

ロックの理屈を語ろうとすること。圧倒的な情熱のさなかにあっても冷静であろうとすること。音楽を言葉で語ろうとすること。言葉を放棄しないこと。

それは難しいことだけれど、それでも、いや、難しいからこそ、ロックの理屈を語ろうとし続けなくてはならないように思う。もし本気でロックを生き続けようとするのなら。

言葉を放棄し、熱狂の渦のなかに自己を埋没させてしまうことはいつでもできるのだから。思考を放棄し、すでにある既成の枠組みのなかに逃げ込むことはあまりにも容易なことなのだから。

「知的であるからこそロックであり続けている」知的であるからこそ…

この最新号の内容については、非常に価値あるストーンズ特集記事以外にも語るべきことはたくさんありすぎるくらいあるのだけれど、ここでは敢えて詳細説明はしない。とにかく書店で実際に手にとって見て欲しい!

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【追記】

ここに収められたミック・ジャガーのインタヴュー記事はそれ自体がロック史の貴重な証言となっている。そのなかで、ジョン・レノンとの関係について語っている箇所もある(pp. 80-82; p.83 にはミックとジョンのツーショット写真が掲載されている)。なるほどね、などと思いながら読んでいたら、このふたりによる未発表のコラボレーションが発見されたとのニュース(BBC NEWS, 18 January, 2003, 14:46 GMT)。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/...

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