ジェフリー・ サックス『貧困の終焉ーー2025年までに世界を変える 』
《これは、私たちが生きているあいだに世界の貧困をなくすことについて書かれた本である。何が起こるのかを予想するのではなく、何ができるのかを説明しているだけだ。現在、世界で毎年、八百万人以上の人びとが、生きていけないほどの貧困のなかで死んでいる。私たちの世代は二〇二五年までにこのような極貧をなくすことができる。》
目次
謝辞
序文(ボノ)
イントロダクション
1 地球家族のさまざまな肖像
2 経済的な繁栄の広がり
3 なぜ繁栄を享受できない国があるのか
4 臨床経済学
5 ボリビアの高海抜ハイパーインフレーション
6 ポーランドがEUに復帰するまで
7 ロシアが普通の国になるための闘い
8 五百年の遅れを取り戻すーー中国の場合
9 インドのマーケット再編成ーー恐怖を乗り越えた希望の勝利
10 声なき死−−アフリカと病
12 貧困をなくすための地に足のついた解決策
13 貧困をなくすために必要な投資
14 貧困をなくすためのグローバルな協約
15 豊かな社会は貧しい人びとを助けることができるか?
16 まちがった神話、効かない万能薬
17 なぜ私たちがそれをすべきなのか
18 私たちの世代の挑戦
《極度の貧困による餓え、病気、死は、全人類にとっての恥辱である。ジェフにとって、これは困難だが決して解決不可能の問題ではない。豊かな資金をもつ人、貧しい社会に対して新たな計画で戦略的に対処できる裕福な社会にとっても、これは解決可能である。シンガーの私はメロディを聞き取る耳をもっている。偉大な思想には偉大なメロディとの共通点がある。わかりやすく、身近で、記憶に残ることーー 一度聞いたら頭から離れず、いつまでもつきまとう。この本が訴える思想は長ったらしいものではない。だが、けっして忘れられないものになるだろう」》(U2のボノによる序文より)
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最終章「私たちの世代の挑戦」の詳細
私たちの世代の出番
反グローバル化運動
啓発されたグローバリゼーションに向けて
難題に立ちむかう
奴隷制の廃止
植民地主義の終焉
今度の課題
貧困をなくすことを約束する
実行計画をもつ
貧しい人びとの声を届かせる
世界のリーダーとしてのアメリカの役割を回復させる
国連を強化する
科学をグローバルに活用する
持続可能な開発を促進する
一人一人が熱意をもってとりくむ
ジェフリー サックス 、鈴木 主税・野中 邦子 訳
『貧困の終焉ーー2025年までに世界を変える』
(早川書房、2006/04)
The End of Poverty: Economic Possibilities for Our Time
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/...
ジェフリー・ サックス(Jeffry Sachs)
1954年ミシガン州デトロイト生まれ。1980年ハーバード大学博士号取得。1984年同大学教授。同大学国際開発センター所長。現在コロンビア大学地球研究所所長。途上国政府、世界銀行、各国際機関のアドヴァイザー。発展途上国支援の国連ミレニアム・プロジェクトのディレクター。