書籍

ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン』

「憲章{=1945年のロンドン条約}は次の三種類の犯罪について裁判権を認めた。「平和に対する罪」−−軍事法廷はこれを、「積み重ねられたすべての罪をそれ自身のなかに含んでいるという点で……最大の国際的犯罪」と呼んでいるーーー、「戦争犯罪」、そして「…

慰霊

《あ、 この焼けただれた顔は 一九四五年八月六日 その時広島にいた人 二五万の焼けただれのひとつ すでに此の世にないもの とはいえ 友よ 向き合った互いの顔を も一度見直そう 戦火の跡もとどめぬ すこやかな今日の顔 すがすがしい朝の顔を その顔の中に明…

『来たるべき蜂起』

不可視委員会 著, 『来たるべき蜂起』翻訳委員会 訳 http://www.sairyusha.co.jp/bd/...

『服従の心理』

スタンレー・ミルグラムによる、いわゆる「アイヒマン実験」と称される実験の報告書。 山形浩生訳の2008年新訳版。 【目次】 序文 謝辞 第1章 服従のジレンマ 第2章 検討方法 第3章 予想される行動 第4章 以外社との近接性 第5章 権威に直面した個人 第…

ジョージ・パッカード『ライシャワーの昭和史』

米軍は1966年に岩国基地(山口県)に核爆弾を搭載した艦船を常駐させていた。 これは日米安全保障条約の重要な違反である。 在日米軍基地への核兵器配備の事実は、当時駐日アメリカ大使だったエドウィン・ライシャワーには知らされていなかった。しかし…

『天皇の逝く国で』

もっと早くに、関心空間にKW登録すべきだった本 これからの日本について真剣に考えたいと思っているひとたちにぜひ読んでもらいたい本 この本はこのように始まる: 「日本の天皇ヒロヒト、追号、昭和天皇は、一九八八年九月十九日、病にたおれ、翌八九年一月…

世界の「平和憲法」新たな挑戦

笹本潤『世界の「平和憲法」新たな挑戦』 紛争のたえない中南米諸国で、外国軍の軍事基地をなくし、軍隊を廃止する憲法を持つ国が続々と生まれている。 平和憲法を持つ国がもっともっと増えるといいね。 目次: はじめに いま、世界で平和憲法が動き出してい…

象工場のハッピーエンド

1983年12月に出版された小説家村上春樹とイラストレーター安西水丸のコラボ。 『象工場のハッピーエンド』単行本 (CBS・ソニー出版;1983年) http://www.amazon.co.jp/... 新版版 (講談社;1999年)1983年版の復刊 http://www.amazon.co.jp/... 新潮文庫…

意味がなければスイングはない

「音楽についてそろそろ真剣に、腰を据えて語るべきではないか」 村上春樹がクラシック,ジャズ、ロックミュージシャンについて語りながら《スイング》の本質を伝授してくれています。 《思うのだけれど、クラシック音楽を聴く喜びのひとつは、自分なりのい…

積極的自由獲得への道

《神話も人類の歴史のはじまりは、選択という行為にあるといっている。しかし、神話はこの最初の自由な行為が、どんなに罪深いものであり、またその結果生ずる苦悩が、どのようなものであるかをとくに強調する。男と女とはエデンの花園において、おたがい同…

「象を撃つ」

《ところがその瞬間、私はちらっと、ついて来た群衆を見た。それは巨大な、最低二千人はいる人波で、一分ごとにますます大きくなってきていた。道の両側を、ずっと向こうまでしっかり塞いでる。けばけばしい色の服の上の、黄色い顔たちの海を私は見た。どの…

『世界は村上春樹をどう読むか』

森は深くて大きいです。 そして 豊かな出会いがあります。 A Wild Haruki Chase 『世界は村上春樹をどう読むか』(文春文庫) 国際交流基金・企画 柴田 元幸、沼野 充義、藤井 省三、四方田 犬彦・編 http://www.amazon.co.jp/...

メルヴィル『白鯨』

アメリカ・ルネッサンスの巨匠ハーマン・メルヴィル (Herman Melville) が1851年に世に送り出した巨大宇宙。 http://www.youtube.com/watch?... http://www.amazon.co.jp/gp/product/...

ヘミングウェイ『老人と海』

1951年執筆。1952年出版。 人間にとってもっとも重要な普遍的テーマを扱った寓意小説、と Lucy は思う。 http://www.amazon.co.jp/...

ジョン・ミルトン『アレオパジティカ』

出版の自由を主張した小冊子。イギリス・ピューリタン革命のさなか1644年11月23日に出版。 表現の自由の権利獲得の歴史において決定的な影響力をもつことになる。 「なぜなら書物は死んだものではなく、生命力を内に秘めているからだ・・・・・・書物は、そ…

大野晋『一語の辞典 神』 I. 日本の神 II. ホトケの輸入 III. カミとホトケの習合 IV. カミとホトケの分離 V. ホトケのぶちこわしとGodの輸入 VI. カミの輸入 VII. 日本の文明と文化 カミの意味は変わっていくか カミ(神)の語源、カミ(神)の観念、日本の…

『裸者と死者』

Norman Mailer が1948年に出版しベストセラーとなった小説 http://www.amazon.co.jp/gp/product/...

『ゆきゆきて、神軍』

BOX 東中野で映画『ゆきゆきて、神軍』*を見た。あまりの衝撃にうずくまり膝を抱え身動きできなくなりそうなほどだった。 いったいあそこでなにが起きていたのか。ニューギニアのジャングルで《なにが》あったのか。《なにが》。それをわたしはどう考えたら…

『ダライ・ラマ、生命と経済を語る』

自称「非暴力のゲリラ」ダライ・ラマ、生命(いのち)と経済について語る。 というわけで、2009年も For Ever ゲリラ活動! よいお年を。 Lucy 30 December 2008 『ダライ・ラマ、生命と経済を語る (LA VIE EST A NOUS) 』 http://www.amazon.co.jp/...

ケインズ『平和の経済的帰結』

《ヨーロッパの経済問題に深い関心を払うケインズが、第一次大戦後の苛酷で不条理な対独賠償要求とその帰結に警告を発しその是正を求めた義憤の書。当時11ヵ国で訳された。》 経済格差の早急なる是正を! 国内的にも!全世界的にも!! だれかを どこかを …

哲学と恩寵

私たちが言語をもつのではなく、 言語が私たちをもつ。 ーーー ハイデガー(『哲学の歴史』第10章374頁) 恩寵は自然を破壊せず、 完成する ーーー トマス・アクィナス(『哲学の歴史』第3章502頁)

カント「永遠平和のために」

《ともに暮らす人間たちのうちで永遠平和は自然状態ではない。自然状態はむしろ戦争状態なのである。つねに敵対行為が発生しているというわけではないとしても、敵対行為の脅威がつねに存在する状態である。だから平和状態は新たに創出すべきものである。》 …

Dissentient Judgment of Justice Pal

"When time shall have softened passion and prejudice, when Reason shall have stripped the mask from misrepresentation, then, justice, holding evenly her scales, will require much of past censure and praise to change places." Conclusive wor…

キング牧師の言葉を憶い出すとき

「真の平和とは、単に緊張がないだけではなく、正義が存在することである」 * 「いつまで経っても非常にあいまいなことの一つは、だれもが、平和を目標としている、と言っていることである。しかも、だれもが平和を口にしているわりに、現実には平和は権力…

『スプートニクの恋人』

村上春樹が書いている小説は、この人類の歴史において類いまれなる時代、すなわち、ついにテクノロジーの発達がわたしたち人間の制御可能な領域とレベルを遥かに超えてしまった時代に、わたしたちが、この傷つきやすい「やわな魂」をかばうがゆえ、苦しみ、…

『真の独立への道(ヒンド・スワラージ)』

Mohandas Karamchand Gandhi HIND SVARAJ (1910) 『真の独立への道(ヒンド・スワラージ)』 M. K. ガーンディー著 田中敏雄訳 岩波文庫(青 261-2) 画像は岩波文庫のカバー=ガーンディー(1909年、ロンドンにて) http://www.amazon.co.jp/...

『日本のいちばん長い日 : 運命の八月十五日』

《「聖断」に従い平和への努力を続ける人々と、徹底抗戦を主張して蹶起せんとした青年将校たち。昭和二十年八月十五日正午に至る一昼夜に繰り広げられた二十四時間の人間ドラマを埋もれていた資料をもとに再現。不朽の名作。》 半藤一利著 -- 決定版. -- 文…

『天皇百話(上の巻)』

鶴見 俊輔 ・中川 六平 編 ちくま文庫 1989年4月 782P 目次 降誕 「官報」 命名の儀 「官報」 川村純義 渡辺幾治郎 里親・里子 宮本常一 自分のうけた印象 長与善郎 天皇・運命の誕生 鈴木孝 肉親としての天皇陛下 秩父宮雍仁・柳沢健 乃木大将とのお別れ 甘…

小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉ーー戦後日本のナショナリズムと公共性』

序章 二つの「戦後」/「戦後民主主義」の「言葉」/「言説」と「心情」について 第一部 第1章:モラルの焦土―戦争と社会状況 セクショナリズムと無責任/軍需工場の実態/組織生活と統制経済/知識人たち/学徒兵の経験/「戦後」の始まり 第2章:総力戦と…

幸徳秋水『帝国主義』(1901年)

《「帝国主義はいわゆる愛国主義を経となし,いわゆる軍国主義を緯となして,もって織り成せるの政策にあらずや」.明治34年に刊行された本書で,幸徳秋水(1871ー1911)は帝国主義の本質を喝破.該博な知識を駆使し,レーニン,ホブスンに先駆けて複雑な帝…