「銃弾の音や、頭上を通るヘリコプターのプロペラではないのです。戦争は、それを生きる人間の心の中にあり、戦いが終わった後も消し去ることは出来ません」。(『ノー・マンズ・ランド』のダニス・タノヴィッチ監督の言葉)
「僕の映画が意図するのは、責任追及ではない。悪いことをしたのが誰なのかを指摘するストーリーじゃないんだ。僕が言いたいのは、あらゆる戦争に対して、異議を唱えるということだ。あらゆる暴力に対する僕の意思表示なんだよ。」
「僕らのユーモア感覚は、ユダヤ人に似てるんだ。同じような被害を被ってきたからね。惨劇の中を生き抜くには、自分の感情を何か他のところにぶつけなきゃいけないんだ。そうしないと、狂ってしまう。」
「僕の作品がカンヌで、土壇場の段階で脚本賞に選ばれたということを聞いた。正直言って、ショックじゃないよ。僕みたいな人生をくぐり抜けてくると、滅多なことではショックを受けなくなる。ショックなら、九二年のサラエヴォで受けているからね。」
以上、すべてタノヴィッチ監督の言葉(書籍『NO MAN'S LAND(ノー・マンズ・ランド)』より、引用)。
この映画を見た映画館で買った『NO MAN'S LAND(ノー・マンズ・ランド)』という書籍は、「これ一冊でノー・マンズ・ランドのすべてが分かる!」というキャッチ・フレーズ通りのすぐれものの一冊、とワタシは見たぞ。
●「監督インタビュー」
●「映画の背景にある<民族浄化>という恐ろしい悲劇」
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●「5分で分かるボスニア紛争」
●「ノー・マンズ・ランドをよりよく理解するための
用語解説」
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