100の柩から緑の葉をつけた樹が生えている「エクス・イット」という作品。この作品の写真を新聞で見た。
人が死に 柩に納められ その身体から樹が生えてくる
ふたつならんだ大きな柩のわきにある小さな柩
その小さな柩の窓からも 小さな樹が生えている
夏に広島の平和記念資料館を訪れた。展示室の最後の場所に「焦土に咲いたカンナ」という写真のパネルが飾ってあった。「歩兵第一補充隊の焼跡に、被爆後、再び芽を出したカンナは、涼しい秋を迎える頃、美しい花を咲かせた。『75年間は草木も生えぬ』と言われた焦土の中で、これを見た人々は、再び生きる勇気と希望を抱いたという」という説明文が添えられていた。
たくさんの柩
不幸な出来事によって一度に失われた命
柩から生えてきた樹
失われた命から芽生え成長し緑の葉をつけた細い幹の樹
広島の大地で咲いたカンナの花
苦しみと悲しみのなかで死んでいった者たちからのメッセージ
現在、水戸美術館にて「YES オノ・ヨーコ」展 開催中(~2004年1月12日)