<「新しい戦争」の時代に
あきらめずに考える >
【目次】
はじめに
第1話 尽きせぬ武力紛争ーー「新しい戦争」の時代に
2 冷戦とは何であったのか
3 「新しい戦争」
4 平和の逆説
第2話 未完の理想ーー国連による平和
1 平和のための国際機構
2 集団安全保障という方式
3 平和維持活動
4 事務総長とは何か
5 国連安全保障体制の未完性ーー課題は何か
第3話 平和のための法ーー国際人道法と国際刑事裁判
1 武力紛争のルール
2 ニュルンベルクと東京の遺産
3 ジェノサイドの最前線ーー人道法裁判の攻防
4 ベルギー人道法
5 国際刑事裁判所
第4話 平和を再定義するーー人間のための平和
1 「平和を欲すれば戦争に備えよ」
2 戦争がなければ平和かーー構造的暴力論というもの
3 人間の安全保障
4 平和と人権
第5話 人道的介入ーー正義の武力行使はあるか
1 人権と人道の時代に
2 罪悪感と空爆支持
3 小康状態の時に考える
4 市民的介入
第6話 平和と人権と市民たちーー市民社会の世界化へ
1 平和のためのアクターたち
2 さまざまな迫害と人権NGO
3 NGO たちのいる世界
第7話 核と殲滅の思想ーー人間の忘却としての平和破壊
2 核の時代
3 核兵器は使ってよいか
第8話 絶望から和解へーー人を閉じ込めてはならない
1 連鎖する悲劇
2 絶望する人々
3 絶望せぬ人々
4 サイードとバレンボイム
5 さまざまな分離壁
6 世界に向かって開け放たれ……
第9話 隣人との平和ーー自分を閉じ込めてはならない
1 敵意の中垣を超えて
2 日本とドイツ
3 東アジア共同体
4 おわりにーー若者たちのために希望を語る
あとがき
もっと知りたい方のために
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/...
* * * * * *
平和について考えようとする人たちがまず最初に目を通しておかなくてはならない基本的教科書。
この本を読んで、これまでわたしが頭をかかえ混乱しながら考えてきたことは、国際政治に関わる専門家たちにとっても解答を出すのが難しい問題だったのだということが分かって、少しスッキリした(が、だからと言って、問題が解決されたということでは全くないから、やはりまた頭をかかえながら考えはじめなくてはならないわけなのだが)。
平和について考えるということは、戦争について考えることであり、それは同時に人間の過去と現在と未来について考えることだ。
つまりは、簡単な問題じゃないってことなのだ。そしてそれはますます複雑な問題になってきているとさえ言えるかもしれない。
だからこの分野での問題解決は、決断あるいは主体的選択を意味することになるだろう。各人の意志や思考力、そのひとがなにを求めているのか、なにを本当に大切なものと考えているのか、なにに向かって生きようとしてるのか、そういった根源的価値が問われることになるのだと思う。これからますます。
少なくともわたしは、あきらめたくない。