「真の平和とは、単に緊張がないだけではなく、正義が存在することである」
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「いつまで経っても非常にあいまいなことの一つは、だれもが、平和を目標としている、と言っていることである。しかも、だれもが平和を口にしているわりに、現実には平和は権力を振るっている人々の間では問題にされていない、ということを見抜く洗練された鋭い目が見られない。」
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「世界の権力国家集団は、一方で『平和を求めよう』と熱っぽく語りながら、他方で防衛予算をどんどん膨れ上がらせ、すでに脅威十分の軍隊を拡大し続け、より破壊力のある兵器を考案している。」
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「もし人生に生きる価値があり、人間に生存権があると仮定するならば、私たちは戦争に変わるものを見つけなければならない。宇宙船が大気圏外に突進し、誘導弾道ミサイルが成層圏を突き抜けて死のハイウェイを切り開くような時代には、どのような国であっても、戦争に勝った、などと主張することはできないのである」
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「神は人間のために何でもしてくださる、と信じることは、人間は自分の力で何でもできる、と思い込むことと同じぐらい支持しかねる考え方である。信仰が欠けているからそう思うのである。私たちが何もしないでいて神にすべてのことをしてほしいと望むのは、信仰ではなく迷信である、ということを知らなければならない」
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「そして、私たちが自由の鐘を鳴らせば、そう、村という村、集落という集落から、また、州という州、町という町から自由の鐘を鳴らせば、その時には、黒人も白人も、ユダヤ人も異邦人も、プロテスタントもカトリックも、すべての神の子たちが手に手を取って、
『ついに自由になった!ついに自由になった!全能の神に感謝すべきかな。私たちはついに自由になった!』
というあの古い黒人霊歌を口ずさむことができるであろう」
コレッタ・キング編『キング牧師の言葉 (The Words of Martin Luther King, Jr.)』より