出版の自由を主張した小冊子。イギリス・ピューリタン革命のさなか1644年11月23日に出版。
表現の自由の権利獲得の歴史において決定的な影響力をもつことになる。
「なぜなら書物は死んだものではなく、生命力を内に秘めているからだ・・・・・・書物は、それを生み出した者が持つ知性の純粋な効力と精髄を、薬びんに入れるように閉じ込めている」
「人を殺す者は、理性的な創造物、神の似姿を殺している。だが良書の抹殺は、理性それ自体を殺すことに等しい。それは、目を傷つけて神そのものの姿を殺すことと同じである」
「この社会で人間らしい美徳を形成するためには、悪徳を知り、見きわめる力が不可欠であり、真理を確立するためには誤りを見抜く力が欠かせない。そしてできるだけ安全に、より危険の少ない形で罪や虚偽の領域に分けいるには、あらゆる種類の論文を読み、すべての論証に耳を傾けるしかない。そしてこれこそが書物を分けへだてなく読むことで得られる効用なのである。」
『言論・出版の自由—アレオパジティカ 他一篇』 (岩波文庫)