『チョムスキー 9.11 (Power and Terror)』

【2011/07/10 更新】

「3.11」後の日本で、メディア・コントロールを実感しながら、チョムスキーのことをしばしば思い起こす。

「その情報はだれのもの?」

この異常な世界のなかにあって、わたしも Rebel without a pouse であり続けたい。

【2003/01/27 更新】

「9.11」アメリカのせいにする意外なベストセラー

     -----ニューヨーク・タイムズ

白か黒かしかない

  ノーム・チョムスキーの世界

     -----ジャパン・タイムズ紙

73歳になっても静かに身を引こうとしないチョムスキー

     -----サンフランシスコ・エグザミナー紙

怖いもの知らず

     -----フロントライン誌(インド)

チョムスキーの反米主義は明確な誤りだ

     -----ニュー・ステーツ誌

飽くなき反抗者(Rebel without a pouse)

     -----ボーノ(U2

おそらく現存する最も重要な知識人だ

  でも彼の政治的発言は

  あまりにも馬鹿げていて耐えがたい

     -----ニューヨーク・タイムズ

ノーム・チョムスキーのインタヴューと講演活動を記録したジャン・ユンカーマン監督によるドキュメンタリー映画『チョムスキー 9.11』はこうした言葉の列挙から始まります。

よく読んで心に刻んでおこうと思います。どこの新聞、雑誌が、どのような発言をしていたのか。誰がチョムスキーについてなんと言ったのかを。

メディアも財界も政府も同じ穴のムジナだと指摘するチョムスキーの言葉が間違ってはいないことが早晩明らかになるでしょうから。

この映画のなかでチョムスキーは "9.11" について次のように語っています。

《9.11 後のことは十分予測できました。世界中の残忍で抑圧的な権力がこの事件をいいように利用するだろうと。方法はそれぞれです。アメリカもトルコもロシアも。そのとおりのことが現実となりました。》

《あのテロは疑いなく歴史的な事件です。しかし私が思うに テロの最大の影響は すでにあった動きを加速し強めたことです。少し形を変えただけでした。日本でもどこでも同じです。日本では憲法改正に向かうかも知れません。 世界中の政府が 9.11 をチャンスと見ました。保守的で残酷な計画を進める絶好の機会だと。 国民は当然不満に思い反対するでしょう。しかし恐怖と緊張の時期を利用して愛国心に訴えれば計画を遂行できる。国民に忠誠と従属を求めればね。権力とはそういうものです。機会を狙っています。 しかし一般国民は違う。もっと複雑です。アメリカの場合 あれは モーニングコールのようなものでした。 アメリカは内向きな国で 外側を知りません。重要なのは国内だけ。 しかしあの事件以降 世界について考え直し アメリカの役割など これまでの常識が通じなくなったことに 目覚めています。 それは少なからぬ意識の解放や模索や反対意見や抗議行動にあらゆる形で表れます。 国民の間で 何かが 発酵しています。 さまざまな人々がこれに関わっています。昔ながらの活動家や学生だけでなく あらゆる人々がいて 反応もさまざまです。 とても健全な現象です》「カリフォルニア州パロ・アルトでの講演」

チョムスキーの言葉には力があります。彼のスピーチにはぐいぐいと引き込まれていく魅力があります。語り口は静かだけれど、彼の議論にはごまかしがない。ですから、この映画で、実際にチョムスキーの表情を見ながら彼の話を聞けたことで、わたしは深く勇気づけられました。また、チョムスキーの講演を聴きに来たアメリカ人たちが真剣な表情でチョムスキーの話に聞き入り、チョムスキーのユーモアに即座に笑いで反応し、講演後、チョムスキーの周りに集まり、チョムスキーに問いを投げかけ、チョムスキーの顔写真がプリントされた布製のバックを買い求め、晴れ晴れとした顔つきで「チョムスキーはとても思慮深いと思います よくわかる」「彼は何でも知っていると思わない?」「希望を与えてくれたわ 数ヶ月ぶりにすっきりしたわ」と口々に語るその姿を目の当たりにできたことも、わたしには大きな歓びでした(あっ、それから、忌野清志郎の歌も素敵ですっ!)。

渋谷のユーロスペースでの公開は今週金曜日(2002/01/31)までになってしまいましたが、引き続き、那覇市広島市松本市座間市福島市、札幌市、横浜市新潟市宝塚市高知市仙台市大分市で公開が予定されています。

東京都(ユーロスペース):2003年1月31日(金)まで

那覇市(パレット市民劇場):2003年1月31日(金)*ジャン・ユンカーマン監督によるトークショーあり

広島市横川シネマ):2003年2月1日(土)より

松本市(松本なんなん広場、南部公民館):2003年2月2日(日)

座間市ハーモニーホール座間):2003年2月7日(金)

福島市(福島フォーラム):2003年2月8日(土)より 

札幌市(アーバンホール):2003年2月9日(日)/ 2003年2月11日(火)

横浜市(横濱シネマ):2003年2月15日(土)より

新潟市(シネウィンド):2003年2月15日(土)より 

宝塚市(シネ・ピピア):2003年2月22日(金)より 

高知市高知県民文化ホール、グリーン):2003年3月7日(金)

仙台市エル・パーク仙台):2003年3月15日(土)

大分市(大分シネマ 5):2003年3月15日(土)より

日時、会場の詳細について↓

http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/...

この映画の「制作にあたって」↓

http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/...

この映画の「監督から」↓

http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/...

◇この映画の公式ガイドブックとして、映画館で下記の書籍を販売しています(わたしもユーロスペースで映画を見たとき購入)

ノーム・チョムスキー, 他『ノーム・チョムスキー』鶴見 俊輔監修(リトル・モア, 2002.9) ¥1,000

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/...

チョムスキー 9.11 (Power and Terror)』公式サイト:http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/

http://www.zmag.org/chomsky/

http://www.hct.zaq.ne.jp/akubi/...

◇『BRUTUS』2003年2月1月号の p. 71 にチョムスキーの活動の拠点である MIT の研究室の写真とジャン・ユンカーマン監督によるコメントが掲載されています(ちなみに pp. 68-69 にはウンベルト・エーコ、p.70 にはジャック・デリダ)。

チョムスキーの政治的著作の参考文献についてはこちらのキーワードを↓

http://www.kanshin.com/index.php3?...

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