STOP-ROKKASHOプロジェクト

再処理工場は、使用済み核燃料(原子炉でウランを燃やした後に残ったカス)からウランプルトニウムとを分離させる場所。

再処理が繰り返されるたびに、自然界にはもともと存在していなかったプルトニウムという危険物質が人工的に生み出されていく。プルトニウム核兵器に転用しうる。というか、もともとは、核兵器用のプルトニウムを取り出すためにこの処理技術が開発された。

日本最初の再処理工場は、東海村にある東海再処理施設。

そして、現在、青森県六ヶ所村に建設が進められている新たな再処理施設ビックプロジェクトが、六ヶ所再処理工場

http://genpatumap.seesaa.net/article/...

けど、六ヶ所再処理工場はメガ級にあぶない!!!

その危険性をいち早く察知し、この再処理工場の建設を阻止せんと自発的に動き始めたのが、STOP-ROKKASHOプロジェクトである!

http://stop-rokkasho.org/information/...

六ヶ所村の再処理工場完成延期、2千億円コスト増」(2011年2月21日付 asahi.com

トラブル続きで完成が延期してるから、事業費のコストが2千億円増えるって話。今までの建設費だけで2兆1930億円(当初の計画の3倍)だけど今後もお金はかかるよね、とーぜん。註1)

http://www.asahi.com/business/update/...

六ヶ所再処理工場は、日本原燃が電力業界の資金で建設しようとしている施設。

これほどのお金をつぎ込んで。

どこからその金はやってくるのか。

巨額の金が動いている。

どこからどこへと流れているのか。流れていくのか。

よって『ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ』こそが、今のわれらにとっての必読書。

しかと読み、アクションを起こせ!

こうもり傘と黄金バットが 甲子園のマウンドで出会い

うさぎの演奏が繰り広げられる夜の闇のなか

炎と燃える虎より赤々と

パッションの限りをつくし

創造的想像力の矢を放ち続けよ

NO NUKE な地球を実現するために

結集せよ

地球上の隅々から

ロッカショに

『ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ』

目次:

☆Prologue

・すべてはここから始まった

・莫大な汚染物質を知ってください

・ロッカショへの思い

・原子量発電と核燃料の再処理

ウランプルトニウム原発、再処理工場の関係

☆Part 1

核燃料と再処理工場

坂本龍一 interviewed by SUGIZO

原発1年分の放射能を1日で放出

プルトニウム核兵器の材料

・六ヶ所は「踏み絵」

クリエイティブ・コモンズという武器

・Tシャツプロジェクト

・「日本の電気の3分の1が原発」は嘘

青森県六ヶ所村核燃料サイクル構想

・日本の原子力発電所と核燃料再処理工場(2007年2月末現在)

六ヶ所再処理工場の「破壊力」

・再処理は放射性物質のばらまき

・再処理の工程と再処理工場の事故史

核兵器の材料を作る六ヶ所

☆Part 2

もうひとつのグラド・ゼロ

辻信一 interviewed by SUGIZO

・「文化的貧困」とは何か

・アメリカに「文化力」の差を見せつけたメキシコ人

・キリストの像と並べてキノコ雲を

・核植民地主義の恐怖

・『六ヶ所ラプソディー』と伝統社会の知恵

・自然界に対するテロ

・1匹は狐のため、1匹は熊のため、1匹はカラスのために

・シェアリングという「文化力」

原発肯定派の人たちとも一緒に

原発では操業が認められない高濃度の放射能

・日常的かつ膨大な放射能放出

放射能の被害は今より未来に

六ヶ所再処理工場で事故が起こったら

・再処理は使用済み燃料の「ゴミ対策」?

・日本の55基の原発から出る「使用済み燃料」はどこへ

・世界の安全保障を揺るがす再処理工場

☆Part 3

自然エネルギーが拓く未来

河野太郎 interviewed by SUGIZO

・なぜ真実が伝わらないのか?

・日本がプルトニウムを作る理由

原発の使用済み燃料を運び出すために

・アメリカも危惧する日本の再処理政策

・不安定で高コストの真実

・ヨーロッパと日本のエネルギー政策

・日本だけが進める不可思議な政策

原子力から撤退するドイツ

・欧州が拓く自然エネルギーの未来

・持続可能なエネルギー社会

☆Part 4

立ち上がった人々

・鎌仲ひとみ(映画監督)

・小野寺雅之(三陸の海を守る気仙沼・本吉の会、農林水産業ナマケモノの会)

・菊川慶子(六ヶ所村在住農業者)

・哘 清喜(六ヶ所村在住農業者)

・安村磨作紀(カクマクシャカ、ミュージシャン)

一人ひとりの地球

桜井和寿UA/大貫妙子小林武史青木孝允/高樹 沙耶/桑原茂一/吉村栄一/ピーター・バラカン/マエキタミヤコ/瀧本幹成/正木高志/岡野弘幹/星川淳/Oto/山根麻以/高橋靖子/サエキけんぞう佐藤タイジ

☆参考文献・URL

☆この本を作った人たち

http://www.amazon.co.jp/...

2007年出版の本だけど、人類全体のありようを変えてしまうほどの起爆力あり

NOTE:

六ヶ所再処理工場では建設費は二兆円を超えると見積もられている。110万キロワット級の軽水炉一基の建築費が約四〇〇〇億円なので、その5基以上の資金が投じられるビックプロジェクトだ」(『日本の原子力施設全データ』p.91. )

止めよう!六ヶ所再処理工場原子力資料情報室)

http://cnic.jp/modules/rokkasho/

リンク 六ヶ所再処理関連

http://cnic.jp/modules/cclinks/...

追記:

六ヶ所村が位置する青森県下北半島。地図で見るとまさかりのような形をしている青森県の北東部にある半島。

この下北半島東通村にすでに原子力発電所がある。2005年に運転を開始した騰水型原子炉(現在は定期点検のため停止中)以外に2基の改良騰水型が建設中。さらにもう一基の建設も計画されている。考え直せ、東通村

さらに、下北半島の先端にある本州最北端の町、大間町では、国内初のフルMOX原発の建設が着々と進んでいる。

http://www.hitachi-hgne.co.jp/...

http://www.jpower.co.jp/bs/field/...

Lucy は、大間町のフルMOX原発の建設即時中止を徹底的に求める!

「 2010年9月六ヶ所再処理工場は完成時期を2年延長しました。同年10月には、MOX工場の着工がありましたが、国のプルトニウム政策からすれば、大間原発を止めれば六ヶ所核燃サイクルは止まり、六ヶ所を止めれば大間原発を止めることもできます。

 ドイツでは、完成していた高速増殖炉の炉心崩壊事故を否定できないとして燃料を入れる前に廃止し、遊園地にした例があります。大間原発もまだまだ止められます。」http://www.cnic.jp/modules/news/...

下北半島には風力発電の未来とまぐろの食文化伝統拡大の大いなる未来の可能性がある。

下北を守れ!!

下北半島には日本三大霊場のひとつ恐山がある。

その聖なる場所を放射能で穢すことは断じて許されぬ。

下北を守れ!!!

六ヶ所との連帯を!

全国、世界の反核運動との連携を!

今すぐ!!

http://www.cnic.jp/modules/search/...

http://genpatumap.seesaa.net/...

↑これを見ながらみんなで監視を続けよう!

5月21日 (土) - 22日(日)にはこの大間町で、

反核ロック・フェスティヴァル [大 MAGROCK ] が行われるので、大集合!

大間でみんなで踊ろう!徹底的 NO NUKES を叫ぼう!

下北から全世界へ向かって

ぎゅるるん、ぎゅるる〜〜〜〜〜んっ!!!!!!!

http://ohmagrock.greenwebs.net/?...

集まってきてくれ!

【註1】

2004年のコペンハーゲン・コンセンサスで、世界が解決すべき諸問題に経済的見地からの優先順位をつけた際、最優先課題として取り上げられたのがエイズ対策。270億ドルの支出によって2010年までに2800万人の感染が予防でき、費用効率でみると40倍になると予想された。この270億ドルを現在円高の日本円に換算すると2兆1675億円(コペンハーゲン・コンセンサスが開催された2004年5月当時の日本円に換算すると2兆9430億円くらい?)。つまり六ヶ所再処理工場の現在までの建設コストに匹敵する。というくらい、ものすごい金額。2兆1930億円っていうのは。やっぱこれは、日本全国の原発の費用効率の試算にチャレンジしなくちゃ。わたしたちで。と思いました。

追記その2(2011/08/09)

イギリスのセラフィールドMOX核燃料工場が閉鎖!

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/...

http://www.guardian.co.uk/...

7月の函館市議会意見書は、「大間原発は全炉心でプルトニウムウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初の商業炉で危険性が高く、建設地には巨大な活断層が存在する可能性がある」と指摘。

(2011年7月21日付『デーリー東北新聞』)

http://cgi.daily-tohoku.co.jp/...

大間のことは大間だけの問題じゃないよ。

6月のデモに出た時、フランス人の若者に下北半島は世界で一番あぶない、と言われたぞ!

方針変えろ、大間町青森県知事。青森県民!!!

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慰霊

《あ、

 この焼けただれた顔は

 一九四五年八月六日

 その時広島にいた人

 二五万の焼けただれのひとつ

 すでに此の世にないもの

 とはいえ

 友よ

 向き合った互いの顔を

 も一度見直そう

 戦火の跡もとどめぬ

 すこやかな今日の顔

 すがすがしい朝の顔を

 その顔の中に明日の表情をさがすとき

 私はりつぜんとするのだ

 地球が原爆を数百個所持して

 生と死のきわどい淵を歩くとき

 なぜそんなにも安らかに

 あなたは美しいのか

 しずかに耳を澄ませ

 何かが近づいてきはしないか

 見きわめなければならないものは目の前に

 えり分けなければならないものは

 手の中にある

 午前八時一五分は

 毎朝やって来る

 一九四五年八月六日の朝

 一瞬にして死んだ二五万人の人すべて

 いま在る

 あなたの如く 私の如く

 やすらかに 美しく 油断していた》

「アメリカ側から、原爆被害者の写真を発表してよろしい、と言われた年」に石垣りん

職場の組合書記局からの依頼をうけ「はじめて目にする写真を手に」書いた詩、「挨拶 原爆の写真によせて」(1952年8月の作品)。

《いま在る

 あなたの如く 私の如く

 やすらかに 美しく 油断していた》

頭のなかで、カチリと音がする

これとあれとがリンクする

あれとあれ

あれとこれが

あれとこれも

土門拳写真展で見た男の子の写真

小さな布団に横たわり

小さな掛け布団をかけてもらっている

顔の上には小さな白い布

お母さんのお腹のなかにいたときに被爆

学校に上がるか上がらないか位までしか生きられなくて死んでしまった男の子

小さなやせっぽちの男の子

自分の死を悟って「ぼくの写真 撮って」と土門拳に言ったという

頭のなかで 次々と

カチリ カチリと音がする

世界が広島から学ぶべきもの

《日本が広島から学んだものとして私にいえることは、あの極大の悲惨に抗して人間が生き延びたこと、そして死んだ人間の、その死への抗い方、生き残った者らの悼み方、記憶の仕方をつうじて、それが人類の威厳を示している、ということです。私らは日本語の文学においてそれをいくらかなりと表現しえたと思います。

日本は、広島から核エネルギーの生産性を学ぶ必要はありません。つまり地震津波と同じ、あるいはそれ以上のカタストロフィーとして、日本人はそれを精神の歴史にきざむことをしなければなりません。広島の後で、おなじカタストロフィーを原子力発電所の事故で示すこと、それが広島へのもっともあきらかな裏切りです。》

大江健三郎『私らは犠牲者に見つめられている』ル・モンドフィリップ・ポンス記者の問いに『世界』2011年5月号)

世界が広島から学ぶべきもの

それは核エネルギーの生産性などではない!!!

このことを何度も何度も

頭に叩き込め

そしてこのうたを高らかに歌いながら交信しよう!

覚醒せよ

新時代の若者たちよ

無知なる金の亡者たちに

真っ向から立ち向うのだ

なぜならやつらは

軍隊、法廷、大学に潜り込み

精神的闘争を挫折させ

できることなら永久に

肉の戦いを長引かせようとするだろうから

絵を描くひとよ!

彫刻を彫るひとよ!

建物を建てるひとよ!

あなたがたにわたしは呼びかける

当世風気取りの阿呆どもに

あなたがたの力を挫かせてはならぬ

ウィリアム・ブレイク『ミルトン』の序詞 translated by Lucy)

党派を超えて、ジャンルを超えて、所属性別年代、趣味嗜好の違い、

そして国境など軽々と飛び越え、

永遠なる若者たちよ、今こそ、共通のゴールに向かって、

団結あるのみ!

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送電線をすべての国民に解放せよ !

大手電力会社による送電線の独占が電力不足の原因であることを指摘する、広瀬隆さんの主張。

「電力会社の原発はほぼ5000万KWだが、今夏のピーク時には、福島第一が廃炉になり、福島第二、東通、女川、東海第二が全滅し、柏崎刈羽が3基再起不能で停止、さらに全土で定期検査中の原発が運転再開不能のため、事実上1300万KWしか稼働しない状況にある。

 この頼りない原発より、資源エネルギー庁が公表している《産業界の保有する自家発電6000万KW》(昨年9月現在、添付ファイル)のほうが、はるかに大きなバックアップとしての発電能力を持っている。

 「原発代替エネルギーとして自然エネルギーに転換せよ」という声が圧倒的に多いが、日本人が"快適な生活”をするために使っている電気の大半を生み出しているのは、現在は火力発電である。《この火力発電は、日本においてきわめてすぐれた世界最高度のクリーンな新技術を導入しているので、何ら問題を起こしていない》。決して原発が、電力の大半をになっているのではない。原発は事故続きで、4分の1も発電していない。

 自家発電をフルに活用すれば、このすぐれた、クリーンな火力だけで、「まったく現在のライフスタイルを変えずに、節電もせずに、工場のラインを一瞬でも止めることなく」電気をまかなえる。これは、将来、自然エネルギーが不要だと言っているわけではない。多くの人が抱いている 《「自然エネルギーで代替しなければ原発を止められない」という現在の反原発運動の固定観念は、まったくの間違いである。》

 将来のエネルギー構成をどうするべきかについてはここで論じないが、原発を止めるのに、選択肢の一つである自然エネルギーは、今のところ特に必要ではない。つまり、産業界を味方につけて自家発電をフルに活用し、原発を止めることのほうが、もっと重要である。

 週刊朝日6月10日号で私が特集したように、週刊朝日の記者が各電力会社に取材した結果、興味深い電力供給について裏の構造が明らかになった。全国で、電力会社が他社受電の発電能力を秘密にして、取材にも答えようとしなかった。特に九州電力だけは、「発電設備ごとの能力の内訳は公開していない。経営戦略情報なので教えられない」と、火力・水力・他社発電(自家発電からの買い取り)・原子力の内訳さえも答えないというトンデモナイ非常識な態度をとった。この九州電力が、原発を動かせないので夏に電力不足になる、と言い立てている。

 なぜ電力会社は、これら当たり前の事実を隠そうとするのか、という疑問から、ここで重大なことが明らかになった。

 それは、《「電力会社が自家発電をフルに利用すれば電力不足が起こらない」》、この事実を国民に知らせると、産業界からも、一般消費者からも、「送電線を自家発電の民間企業に解放せよ!」という世論が生まれる。そして制度が改善されて、誰もが送電線を自由に使えるようになると、地域を独占してきた電力会社の収益源の牙城が崩れる。送電線の利権だけは、何としても電気事業連合会の総力をあげて死守する必要がある、と彼らは考えている。九つの電力会社にとって、福島原発事故を起こした今となっては、原発の確保より、送電線の確保のほうが、独占企業としての存立を脅かすもっと重大な生命線である。そのため、自家発電の電力を買い取らずに、「15%の節電」を要請するという行動に出てきたのである。

 したがって日本人は、「自然エネルギーを利用しろ」と主張する前に、《「送電線をすべての日本人に解放せよ!」》 と声をあげることが、即時の原発廃絶のために、まず第一に起こすべき国民世論である。何しろ、送電線が解放されて、安価に送電できなければ、自家発電ばかりでなく、自然エネルギーの自由な活用もできないのだから。

 原発廃絶は、反原発運動の自己満足のために実現されるべきものではない。産業界も含めた、すべての日本人のために進められるべきである。

「自家発電6000万KW・ ”原発なし”で電気は大丈夫」  広瀬 隆 

(たんぽぽ舎での学習会でもらったチラシより転載)

たんぽぽ舎

http://www.tanpoposya.net/main/...

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ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ

《「原子爆弾」と「原子力」と何が違う?突き詰めていくと、器が異なるという一点だ。ウランだのプルトニウムだのを、ミサイルのパッケージに入れれば、「核兵器」になる。同じ放射性物質を原子炉に組み込めば、今度は「核燃料」と呼ぶ。どちらも、今の経済システムにおいては、がっぽがっぽ儲かる商売として成立するのだ。

 「被爆」と「被曝」と何が違う?原子爆弾を落とされた人間は「被爆者」と呼ばれるが、原子力発電所放射能汚染を浴びせられた人間が「被曝者」となる。でもどちらも、生命の基礎をむしばまれ、「ヒバクシャ」として終わりのない被害を受ける。》       

ーーアーサー・ビナード「 [ヒロシマナガサキ、フクシマ] 」(「日々のとなり」月刊アルコムワールド May 2011)

詩人のビナードさんは、ポイントを見抜いてる。

わたしたちは「被爆」と「被曝」という漢字の違いに騙されてはいけないのだということ。「被爆」も「被曝」も、とどのつまりは「放射能」に曝されること( exposure to radiation )を意味するのだから。

人類の歴史において兵器として実際に使用されたふたつの原子爆弾

ウラン原子爆弾が広島に。プルトニウム型原爆は長崎に。

「安らかに眠って下さい

過ちは繰り返しませぬから」

広島を舞台にした絵本を作るため広島の原爆資料館に通い続けているビナードさんは、平和公園にある慰霊碑の意味について自らに問いながらこう続けている。

《慰霊碑の「過ち」を、ぼくは「ヒバクさせること」と理解している。マーシャル諸島でもスリーマイル島でもチェルノブイリでも東海村でも過ちは繰り返され、福島第一原発もヒバクの渦だ。安らかに眠るわけにはいかず、原子爆弾原子力と手を切って、終止符を打つ以外に生きる道はない。》

目を閉じて、ヒロシマナガサキのまちのことを思い返す。

今もじっと身を潜めるようにしながらこちらをずっと見ている死者たちの気配。

立ち上がって、動き出したとき、道の向こうに未来が微笑む。

彼らも微笑む。

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風が吹くとき

1982年にイギリスで出版されたレイモンド・ブリッグズグラフィックノベル風が吹くとき』がわたしに教えてくれること

従順な善人のままが世界を滅ぼす

抗議して 生き残れ

DAVID BOWIE WHEN THE WIND BLOWS -風が吹くとき- (1986)

http://www.youtube.com/watch?...

と、書いた、半年後の 2011年3月、突然、ものすごいリアリティーを獲得してしまった作品。

《非暴力は、問題に無関心でいるということではありません。

逆に、しっかりと関わることが重要です。》ーダライ・ラマ14世

善良な市民として生きるってことは、問題に無関心でいるということじゃないよ。

逆に、しっかりと関わることが重要だよ、絶対。ーLucy 1世

だから より強く 抗議せよ

表現方法は多様であるにせよ

何度も何度も繰り返し見て、感じとること。感じて、理解すること。深く。より深く。

主題歌 WHEN THE WIND BLOWS by DAVID BOWIE

http://www.youtube.com/watch?...

風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]

http://www.amazon.co.jp/...

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「市民」としての小田実

「クロード・ルフォールによれば、"近代の民主主義は、政治と思想が乖離しているので、全体主義へと向かう傾向がある"」

「そう、私も同じ意見だ」

「私が信じるのは、死を前にした証言者だ」

ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』より)

2007年7月30日 2:05 am、小田実、死去。75歳。

http://www.47news.jp/CN/200707/...

「ふつうの人のつながり」「市民」という言葉を大切にして、こう解説した。

デモ行進の時、だれも名刺交換はしない。隣を歩く者の正体を知らず、ある問題への怒り、その解決への思いと志だけを共有して歩く老若男女、それが「市民」だ。

(2007年7月30日付朝日新聞夕刊「評伝:焼け跡原点、行動の作家」より)

以下は、小田実が残したメッセージの一部。

 国が勝手につくった政治,政策、それにただ従うだけであれば、独裁政治です。それよりもう少しましなのが、政治家が集まって政党をつくって、政党が政策をつくるもの。これは独裁政治よりはましですが、政党が勝手にやるものです。選挙というものは矛盾しています。一つには、全体の政策をつくってわれわれに提示するけれど、同じ政党でも、それらの政策が矛盾することがあります。A 政党の政策 X には賛成だけれども、政策 Y には反対で、政策 Z はどうかと思うというときデモもするのでるが、たいてい最大公約数として、結局いろいろガマンして、その政党に投票する。でも、それは、本当はおかしいわけです。独裁政治よりはましだけれども、そういう矛盾が表れて来る。選挙自体の問題が問われていると思います。それに、議会が何でも勝手に決めていいのかという問題もあります。裁判所は何のためにあるのか、という提言と同じです。

 もう一つ問題なのは、そのときの政策がよくても、事態が変わって来たり、問題が変わったりする。突発的なことが起こったときに、われわれは委任していいのかという点です。一つひとつの問題について選挙をしないといけないでしょう。

・・・

 結局、選挙のとき、市民はいろんな政策を持って、そのときどきの政党の掲げる政策に近いものに投票する。あるいは逆に「やり直せ」と言って、デモ行進するとか、ストライキをするとか、そういう動きが出てくるものです。そういうことを全部含めたのが民主主義だと思うんです。民主主義とは、制度のことではなくて原理の実現なんですから。選挙をやっていれば、それで終わりということになってはいけないと私は痛感しています。

・・・

ある意味で間接民主主義を認めざるを得ないんですが、しかしわれわれは全体として直接民主主義的なものをぶつけていかないといけない。でないと、間接民主主義は腐っていきます。それがどんなふうにして動いていくかに注意していないといけません。たとえば、A 政党と B 政党、二大政党があれば、政権交代ができるというけれども、政権交代したらどうなるか。やがて二つの政党は似て来ます。どっちも選挙の票がほしいからですね。それでは、結局、議会の独裁になってしまう。

 今、アメリカ合衆国民主党と共和党の政策がだいぶちがって来ているけれども、「九・一一」直後は、まったく同じでした。「愛国者法」をいっしょにつくったり、民主党も共和党も「テロ撲滅」の大義名分でいっしょに自由を抑圧するようになった。今になって随分離れて来て、これからどうなるかわかりませんが、前はいっしょだったんです。ベトナム戦争のときだって、いっしょでした。それがだんだん分かれていったわけです。

 分かれる基本的な力になったのは、民衆の力、市民の力です。政党人が目覚めてやったんじゃなくて、三〇万人とか、大勢の市民がデモ行進をした。私も参加したことがあります。そういう動きが政治を変えていったんです。市民が動かなければ、変わらない。だから、こうすべきだといういことを自分たちでわきまえて、一つの力にしていけばいいと思うんです。そのような力になるためには、これからは自分たちがそれぞれの政策をもたないといけません。

(「「選挙民主主義」の矛盾」&「市民が動かなければ、政治は変わらない」in『中流の復興』)

『中流の復興』: オランダ、ハーグでの「恒久民族民衆法廷 (Permanent Peoples' Tribunal)」(2007年3月21日ー25日) 判決文収録

小田実HP http://www.odamakoto.com/jp/

市民の意見30 http://www1.jca.apc.org/iken30/

九条の会 http://www.9-jo.jp/

画像:London でのデモ行進 (19 Mar 2005)

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