2002-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆたかな経験が蝕まれ、その結果、巨大な精神的貧困が生まれた

「小学校の教科書に、ひとりの老人についての寓話がのっていた。この老人は臨終にさいして、自家の葡萄山には宝がうずめてある、と息子たちに教える。しかし、いくら息子たちが山を掘りかえしてみても、宝などひとかけらも出てこない。やがて秋がきて、その…

ベンヤミンのことば

「夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは 橋でも翼でもなくて、友の足音だ」 友人ヘルベルト・ベルモーレあての手紙(『書簡 I』)

『ヴァルター・ベンヤミン著作集1--暴力批判論』

1969年に晶文社から出た『ベンヤミン著作集1』。 収められているのは「暴力批判論」「運命と性格」「知識人の政治化」「ドイツ・ファシズムの理論」「左翼メランコリー」「破壊的性格」「経験と貧困」といった論文、そして、彼の死によって草稿のまま残され…

岡崎京子のことば

「さまざまな説話が勝手につくられ語られた さまざまなバージョンで でもそんなものみんなすぐ忘れていった だいたいもう誰でも覚えていることなんか出来なくなっていたのだ。」 「みんな何でもどんどん忘れてゆき ただ欲望だけが変わらずあり そこを通りす…

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』のなかではどの曲が好き?

ラジオのDJにリクエストするとしたら、あなたはどれを選ぶ? 1. Tear Me Down 2. Origin Of Love 3. Angry Inch 4. Wicked Little Town (Tommy Gnosis Version) 5. Wig In A Box 6. The Long Grift 7. Hedwig's Lament 8. Exquisite Corpse 9. Midnight Ra…

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』

可笑しくて、感動的で、活き活きとしたスペクタクル・・・・ 「ヘドウィグ」のヴィジョン溢れるロック・パワーは、映画界に革命を起こした! -----ローリング・ストーン誌 ミッチェル扮するヘドウィグの辛辣なウィット溢れる歌詞と、 トラスク作曲の感情を揺…

ゴダール『小さな兵隊(Le petit soldat)』

「午前7時 僕の前を世界中の写真が悪夢のように過ぎる パナマ ローマ アレクサンドリア ブタペスト パリ 悪夢は続く "学校へ行くように戦争に行った" ペルナノスの文章だ 『辱められちゃ子供たち』の書き出しだ 僕はまた 火を点けた 今朝の僕は少年のような…

クリスマス北爆

今から30年前の1972年のクリスマスの日、北ベトナムは米軍の大型爆撃機B52による空爆に曝されていたのだそうです。 クリスマス翌日に空爆を受け、壊滅したカムティエン通り。 死者287人、負傷者290人。 1973年のベトナム戦争終結から29年後の2002年12月。 …

『ノー・マンズ・ランド(NO MAN'S LAND)』

1969年、ボスニア・ヘルツェゴビナ生まれのダニス・タノヴィッチ (Danis Tanovic) 監督(今年で33歳)による反戦映画。 ボスニアとセルビアの中間地帯の塹壕に取り残されたボスニア兵とセルビア兵。 「この戦争は何のため?」 それにしても <対人地雷> ひ…

「戦争とは精神状態です」

「銃弾の音や、頭上を通るヘリコプターのプロペラではないのです。戦争は、それを生きる人間の心の中にあり、戦いが終わった後も消し去ることは出来ません」。(『ノー・マンズ・ランド』のダニス・タノヴィッチ監督の言葉) 「僕の映画が意図するのは、責任…

「いわゆるテレパシー能力は、動物たちにとってごくあたりまえのリアルなコミュニケーション方法なのですが、とくに象は優れたものを持っています。 象の場合、そうした本能的な能力のほかに、多くの学習も必要です。人間と同じように、年長者からたくさんの…

日本ではじめてのゴダール監督記者会見

「映画とは、ある国民が自分自身の姿を見極めようとするやり方だと思う。真の意味でのレジスタンスを描いた唯一の映画は、一九四五年の『無防備都市』(ロベルト・ロッセリーニ監督)だけだ。その作品が、なぜナチスドイツと組んで、もっとも早く戦争に負け…

歓迎されない事実の「真理」は「意見」ということにされちゃう

「おそらく以前であれば、宗教や哲学の事柄に関して多様な意見が寛容に扱われることなどなかったのに対して、今日では事実の真理がたまたま既存の集団の利益や快楽に対立するや、以前にもまして激しい敵意で迎えられる。」 興味深くありません? 「なるほど…

多元的なイメージを合成する思考法

「われわれの社会における言語が組織の多元化と並行して複数的になるということ、それからイメージ自身が、それがどんなに元来の対象から離れていても、そのイメージなりに社会的に通用して、独自の力になっていくという、この基本的な事実から出発して、全…

Snow in Tokyo 2002

わおっ 雪だよ 雪 雪は白くてつめたくて この世の汚れを覆い隠すかのようで 凛としていて うつくしい 天使が舞いおりてくるには絶妙のセッティングだね

"Imagine all the People living life in peace"

ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞です。今年の8月、ヨーロッパの多くの都市を水浸しにしたあの大雨の雨雲がブリテン島から大陸へと去り、突如、英国が猛烈な暑さにうだっていた頃、わたしは旅行でちょっぴりだけロンドンにいました。そのとき、ピカデリー…

オノ・ヨーコの白いチェス

真っ白いチェスボードに真っ白いコマが並べられたオノ・ヨーコのアート作品をワタリウム美術館で見た。 白対白のチェスゲーム。 チェスボードには上品なフォントで PLAY IT BY TRUST という文字が刻み込まれていた。 チェスボードとコマの白の色の美しさ。素…

『ポーラX (Pola X) 』

かつてゴダールの再来と騒がれた若手映画監督がいる。その監督とは『ポンヌフの恋人 (Les Amants du Pont-Neuf)』(1991年 / 仏)を創ったレオス・カラックス (Leos Carax)。そのカラックスが『ポンヌフの恋人』から8年間の沈黙ののちに完成させた映画、そ…

ROLLING STONES, FORTY LICKS

ふっ、ふっ、ふっ。とうとう買いました。ザ・ローリング・ストーンズ、デビュー40周年記念2枚組ベストアルバム『FORTY LICKS』! "Digitally Remastered Comprehensive Collection of 40 Tracks from their Entire Historical Career plus Four Tracks Reco…

『恋人のいる時間』追加公開情報

さて、ゴダール映画『恋人のいる時間』の追加公開情報を日本版オフィシャルサイトで見つけたので、これまた自主的広報活動を。 ■神戸(シネ・リーブル神戸)および福岡(シネテリエ天神)では共に2003年1月11日(土)からの公開開始と決定(お~っ、さっそく、…

ジャン=リュック・ゴダールの誕生日

一昨日の12月3日はゴダール(Jean-Luc Godard)の誕生日でした。1930年生まれなので、今年で72歳になられました。おめでとうございます!と言うわけで、一昨日の Lucy は「今日はゴダールの誕生日」「ゴダール!ゴダール!!」と、まわりのみんなにお知…

ゴダール『はなればなれに (Bande a part)』

この映画のなにが素敵って、カフェでのマジソン・ダンス、そして、ルーブル美術館内を全速力で駆け抜けるシーン。 あのマジソン・ダンス、2回目にこの映画を見に行ったとき、スクリーンを見ながら気がついたら思わず真似して一緒に踊ってた(映画館の席につ…

『ワン・プラス・ワン (One Plus One)』

ストーンズ (The Rolling Stones) 「悪魔を憐れむ歌 (Sympathy for the Devil)」レコーディング風景を記録した映像を軸に、上下左右に転がりながら展開するゴダール映画『ワン・プラス・ワン (One Plus One)』。5月革命の年、すなわち1968年の6月と8月にロン…